高麗人参の種類ごとに適した利用方法とは?

加工法の違いにより大きく3つの種類に分けられる高麗人参は、生薬として漢方に利用されるだけでなく、それぞれの特徴に合った利用法があります。
この記事では、高麗人参の種類ごとに適した利用方法についてご紹介します。

高麗人参の種類について

高麗人参の種類は加工法によって3つに大別され、種類によって利用方法が異なっています。
1つめは『水参(すいじん)』と呼ばれる畑から収穫された生のままの状態で、水分の含有量が全体の約80%を占めているのが特徴です。
そのため傷みやすく、保存性に欠けるデメリットがあるものの、調理や加工の幅が広いというメリットがあります。
2つめは、栽培に4年ほどかけた高麗人参の表皮をむいてから、含まれる水分量が12%以下になるまで乾燥させた『白参(はくじん)』です。
乾燥させているので1年ほどの保存が利きますが、それ以上の長期保存には適さないうえ、高麗人参の有用成分が多く含まれる皮をむいているために、皮をむかない加工法の種類に比べて作用や効能が劣るとされています。
3つめは、6年間生育された6年根を主に利用した『紅参(こうじん)』で、皮をむかずに蒸気で蒸したのち、水分量が14%以下になるまで乾燥させた種類です。
蒸してから干すという過程を踏むために、長期の保存に適した種類でもあります。
有用成分であるジンセノサイドをはじめとする成分が濃縮され、豊富に含まれているので、高麗人参の中でもっとも上級品として扱われています。

高麗人参の種類ごとの利用方法とは

水参の使い方

生のままの高麗人参である水参は、料理の素材に用いられたり、ハチミツやお酒に漬け込んだりして利用されるのが一般的です。

水参の主な利用法の例

生の高麗人参を使った料理には、内臓を取り出した鶏の中に、もち米やニンニク、乾燥ナツメなどを詰め、数時間以上煮込んだサムゲタンがよく知られています。
ほかには天ぷらの素材にしたり、独特の風味をやわらげるためにハチミツに漬け込んだりして食べる方法もあります。
高麗人参を漬け込んだハチミツには、その有用成分のエキスがたっぷりしみ出しているため、通常のハチミツと同じようにヨーグルトや温めた牛乳、紅茶などに加えたり、料理の味つけにしたりするのもおすすめの利用法です。
また、水参をお酒に漬け込んで高麗人参酒にするのも、一般的な利用法とされています。
保存や扱いが難しい水参は、ホワイトリカーやブランデーなどに1~2ヶ月ほど漬け、薬用酒として利用するのが効率のよい方法として親しまれています。

白参・紅参の使い方

乾燥・加工した高麗人参である白参や紅参は、煎じて飲むほか、さらに加工して粉末状にしたものや、健康食品の原料としても利用されています。

白参・紅参の一般的な利用法

白参や紅参を利用するのにもっとも一般的なのは、煎じてお茶として飲む方法で、高麗人参の有用成分の摂取に最適とされ、古くから広くおこなわれています。
刻んだ白山や紅参に、乾燥ナツメやショウガを加え、水から1時間以上弱火で煎じて飲みます。
好みでハチミツ、レモンなどの柑橘類の果汁を加えて飲むと、独特の風味が緩和されて飲みやすくなります。
なお、煎じてお茶として飲むのが一般的な利用法とはいえ、乾燥・加工した高麗人参の日本での流通量は多くはありません。
手軽に高麗人参茶を飲みたい場合には、お湯を用意するだけで簡単につくれるティーバックや、お湯に溶かして飲む製品の利用も推奨されています。
こうした製品の多くには、あらかじめ甘みが加えられているため、高麗人参の独特の風味が苦手という人でも気にすることなく成分の摂取ができるのがメリットといえます。

加工品としての白参・紅参の利用法

白参や紅参は高麗人参の形でも販売されていますが、これらをさらに加工して粉末状にした製品もあります。
そのままで摂るよりも、飲み物に混ぜたり、お菓子づくりの素材やスープなどの調理に使ったりするのが一般的です。
また、カプセルや錠剤などのサプリメントや、濃縮したエキスなどの健康食品として多くの製品も販売されています。
エキスを配合した食品には、栄養ドリンクやキャンディ、ガムやゼリーといったものもつくられており、高麗人参の風味を気軽に試したい場合の利用法の選択肢に加えるのもよいでしょう。

美容用品の配合成分としての利用

高麗人参は、上記のような食用としてだけでなく、美容用品の配合成分としても利用されています。
化粧水や乳液、クリームや美顔パックといった基礎化粧品や、シャンプーや石けんなど数多くの製品が製造・販売され、ドラッグストアや通販などで購入できます。

高麗人参の利用方法・まとめ

高麗人参は加工法により3つの種類に分けられ、生の水参と、乾燥・加工した白参や紅参とでは一般的な利用法が異なっています。
乾燥させた種類をさらに加工した高麗人参の製品も数多く販売されているため、ご自身の用途や目的に応じて選ぶのをおすすめします。